SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO Art
ミラーレス専用Artライン初のマクロレンズとなる105mm F2.8 DG DN MACRO Art。マクロ撮影からポートレートまで幅広い用途で活躍する表現の幅広さや、撮影しやすいワーキングディスタンスなどといった特長から、プロフェッショナルの基本機材として選択されることも多い中望遠マクロレンズです。
日常の光景も特別なものにする「定番マクロ」のレビューをご覧ください。
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※2020年秋撮影
やわらかな秋の日差しを浴びている公園のベンチ。ピントを合わせた手前の鋼鉄製手すりはシャープなマクロレンズらしいエッジの効いた描写で、表面に浮き上がった小さな点状の錆まで細微に写し出されています。背景の柔らかいボケ味がベンチを優しく引き立てています。
カメラ：
SONY α7R IV
絞り値：f/2.8
露出時間：1/400秒
ISO：200
露出補正：-1.3ステップ
露出モード：絞り優先
105ｍｍの中望遠マクロレンズは被写体に接近することによって超望遠レンズ並みの大きなボケを生み出して被写体を浮き上がらせることができます。この表現力を使って何気ない被写体が存在感あふれる主役となって画面に描き出すことができます。
公園の樹木下を散策していると小さなキノコが一本ぽつんと生えているのを見つけ、その可愛らしい姿に接近して撮影しました。表面を覆う襞が高細微に写し出されると同時に、背景のとろける様な美しいボケによって小さなキノコが印象深く描写されました。
使用したα7R IVの総画素数6100万画素を誇る高解像力を活かし切れる描写力を有したレンズだと実感しました。SIGMAには「カミソリマクロ」と称されるマクロレンズがありますが、このレンズにも同じ称号を戴冠できるほどの切れ味があると断言できます。
体毛に花粉を纏いながら一心不乱に蜜を吸うミツバチを狙ってみましたが、動きが定まらずオートフォーカスではピントを合わせ辛かったので、マニュアルフォーカスに切り替えました。フォーカシングリングの幅が広く手にしっかり馴染みます。電子制御で動作しますが、微調整もしやすく細かいピント調整が楽に行えるでしょう。
画像をモニターで拡大してみると身体からびっしり生えている毛にまだらに花粉がついている様子や羽の模様がまるで標本の様に写し出されていて、改めてカミソリの様な切れ味に思わず「凄っ」と声を上げてしまいました。
画面隅々まで余すことなく細微に写し出すこの描写力。出来上がった写真を飽きることなく見つめてしまいます。
105ｍｍの中望遠域はほどよい圧縮感で日常を切り取れる画角なので、スナップ撮影でも重宝することでしょう。
カメラ：
SONY α7R IV
絞り値：f/2.8
露出時間：1/1600秒
ISO：160
露出補正：-0.3ステップ
露出モード：絞り優先
マクロレンズを持っていると日常見過ごしている光景から新たな世界を見つけたくなるのは筆者だけでしょうか。電車に乗るたび手すりが重なり合う角度を見つめることを密かな(?)楽しみにしているのですが、マクロレンズでその角度の一つを撮影してみました。前後の柔らかいボケにはさまれた手すりの存在感。パースペクティブが付きにくく歪みがない105ｍｍの画角がぴったりハマりました。
カメラ：
SONY α7R IV
カメラ：
SONY α7R IV
カメラ：
SONY α7R IV
超望遠のような極端な圧縮感は得られませんが、肉眼で感じるような自然な圧縮感からくる遠近感を表現できるのも105ｍｍの魅力です。優れた解像力をマクロ撮影にだけ使用するのではなく通常の撮影でも積極的に使いたくなるレンズではないでしょうか。
カメラ：
SONY α7R IV
作例撮影を行いながら日没時間が迫ってきたとき、ふと酉の市が行われていることを思い出しマクロレンズを持って行ってみようと思い立ちました。
迫力ある豪華な熊手をマクロレンズで撮影すると切れ味鋭い解像力で一段と華やかな雰囲気が伝わってくるように感じます。細微な質感と抜けの良い発色、優れたコントラストが画面全体から伝わってきます。
カメラ：
SONY α7R IV
このマクロレンズで作例撮影をしながら一貫して、色収差が徹底的に補正されているのでどのような光源でも開放から色にじみが見られずヌケのよい解像感が得られることを感じました。すっきりした解像力はマクロ撮影のみならず通常撮影でも信頼のおけるレンズであることに間違いはありません。シチュエーションを選ばず活躍することでしょう。
古来、鈴の音には魔を払いよける霊力が宿るとされてきました。今年はコロナも収まり、安心して撮影に出かけられる年になることを祈りながら神楽鈴を接写しました。
