ボルドーワイン最高峰の格付け 5大シャトーとは?

世界的な銘醸地としてワインの聖地とも呼ばれるフランス ボルドー地方。中でも特に有名なワインを産出するメドック地区の制度として知られているのがメドックの格付けです。1級(プルミエ・グラン・クリュ)から5級(サンキエム・グラン・クリュ)までの5段階に分かれ、メドック地区の60銘柄、グラーヴ地区の1銘柄が格付けされています。ここでは、世界中を魅了する5大シャトーについて解説します。

 メドック地区について

ボルドーでも高額で取引されるワインが集まる聖地

メドック地区について

高級ワインを産出するメドック地区の特徴についてご説明していきます。

メドック地区は、ジロンド県にあるボルドー地区の中でも、ジロンド川の下流に位置しています。中でも村ごとに地区名をラベルに表記できる村があり、サン・テステフ、サン・ジュリアン、ポイヤック、マルゴー、ムーリス、リストラック・メドックがそれにあたります。


何れもメドック地区よりも上流にあるオー・メドックの域内にあり、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体にメルローなどとブレンドするワインが造られています。また、メドック地区の土壌は新生代三紀(約1800万年前)、第四紀のものとなっており、この土壌がワインの特長を出している要因といえます。

サン・テステフ地区

メドック地区の中でも最も下流にあります。表土は軽いものの下層には粘土質と石灰質の土壌が広がっており、豊かで味わいがしっかりとしたワインが生まれる産地です。格付けのワインは2級が2シャトー、3級が1シャトー、4級が1シャトー、5級が1シャトーとなっています。

ポイヤック地区

メドック格付けの第1級が5軒中3軒も位置する地区で、小粒の砂利が混ざった砂質の小山の頂きにブドウ畑が広がっています。ワインはタンニンがしっかりして濃密。そして、長期熟成が行える素晴らしいワインを生み出します。格付けのワインは1級が3シャトー、2級が2シャトー、4級が1シャトー、5級が12シャトーとなっています。

サン・ジュリアン地区

大きな石が混ざった粘土質や石灰質の層を砂利質が覆っています。滑らかなタンニンと豊満で熟成能力にも長けたワインを産み出しています。第1級のシャトーこそありませんが、第2級が5シャトー、第3級が2シャトー、第4級が4シャトーと全体的に高い評価を得ている産地。

マルゴー地区

オー・メドック地区の中でも最大の面積を誇りますが、その品質は素晴らしく、石灰質や粘土混じりの泥土の層の上に砂利や泥土が広がり、繊細でふくよか、そしてエレガントなワインが多く造られています。第1級が1シャトー、第2級が5シャトー、第3級が10シャトー、第4級が3シャトー、第5級が2シャトーと合計21もの格付けシャトーがあります。

ムーリス、リストラック地区

ムーリス、リストラックは他の地区と少し離れており、ジロンド川からの湿気によるカビ菌のリスクが少ない。ワインは柔らかく滑らかなタンニンと、丸みのある果実味が特長。格付けシャトーはありませんが、格付けの見直しが行われれば昇格されるであろうと言われるシャトーが多数あるほど、品質は全体的に高く、お手軽にメドックワインを楽しめる利点があります。

オー・メドック地区

第3級が1シャトー、第4級に1シャトー、第5級に3シャトーとなっています。粘土質と砂利質の土壌で、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローともに栽培に適した産地です。骨格のしっかりとした素晴らしいワインが造られています。

 メドック格付けについて

メドック格付けとは

1855年 パリ万国博覧会での出来事

1855年のパリ万国博覧会の際に、ナポレオン3世の命令を受けて、同時のボルドー市の商工会議所が、メドック地区のワインの格付けを作成しました。これは、当時すでに確立されていた生産者の名声とワインの取引価格に応じたもので作られています。


第1級から第5級までの合計61シャトーに格付けがなされ、その中でも既に名声の高かった『シャトー・オー・ブリオン』のみ唯一メドック地区以外から第1級のシャトーに選ばれています。


尚、19世紀にボルドーから輸出されていたメドック地区の赤ワインとソーテルヌ地区の甘口白ワインであり、これが格付けの対象となりました。また、現在に至るまで格付けの見直しは、1973年の『シャトー・ムートン・ロートシルト(ロスチャイルド)』が第1級に昇格した以外は行われていません。

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ボルドーでも格付けのシャトーはまさに『別格』

ボルドーでも格付けのシャトーはまさに『別格』

ワインの一大産地のボルドー地方では、生産者が6,500軒を超えると言われています。その中でも格付けに選ばれたシャトーはわずか61軒。1%に満たないシャトーのみに認められています。

さらに、第1級に関してはその中の5軒と、ボルドー地方で0.1%以下。最高品質のワインを造りだす、希少なシャトーです。


以下は格付けのシャトーの数となります。

 第1級シャトー:5軒

 第2級シャトー:14軒

 第3級シャトー:14軒

 第4級シャトー:10軒

 第5級シャトー:18軒

 5大シャトーとは

5大シャトーとは前述した通り、メドックの格付け制度にて1級の格付けを持つシャトーを指します。世界中のワイン愛好家がこぞって求める至高の味わいはシャトー毎に違い、今なお、世界中のワイン生産者からも熱い眼差しを送られており、常に進化し続けるワインのトップメーカーです。高額で取引されている事にも納得できる素晴らしい完成度は、ワイン愛好家であれば、人生で一度は楽しむべきワインとも言えるでしょう。それでは、5大シャトーの違いについてご紹介していきます。

シャトー・マルゴー

シャトー・マルゴー

ボルドーワインの女王


マルゴー地区のあり、1855年の格付けにて、20点満点でのテイスティング評価が行われていますが、その中で唯一20点の満点を獲得したシャトー。


各界のセレブレティーが愛飲している事でも知られており、最も女性的と称されるそのワインの味わいは、今も色あせることなく存在しています。


香りの広がり方は、抜栓直後でも他の第1級シャトーにはない官能的で複雑さがあり、余韻までしっかりと残るエレガントを極めた銘柄と言えます。


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シャトー・ラフィット・ロートシルト(ロスチャイルド)

シャトー・ラフィット・ロートシルト(ロスチャイルド)

5大シャトーの筆頭と称される王のワイン


ポイヤック地区にあり、1855年の格付け時には最も高額で取引されていたワインがこちらの『シャトー・ラフィット・ロートシルト』


ヴェルサイユ宮殿にて国賓に振る舞われていた事や、ルイ15世が愛飲していたことからもワインの王、王のワインと称されています。


バランスに優れており、その全てが高次元。果実の凝縮感、香り、フィネス(余韻)が見事で、長期の熟成により官能的な味わいを産み出します。品のある究極のワインの一つ。


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シャトー・ムートン・ロートシルト(ロスチャイルド)

シャトー・ムートン・ロートシルト(ロスチャイルド)

格付けを覆した異例のシャトー


ポイヤック地区にあるシャトーで、所有者のロスチャイルドが「1級になることはできないが2級には甘んじることはできない。ムートンはムートンなり」と言った台詞が大変有名なシャトー。


格付けを覆した唯一のシャトーだけに、その品質はこれぞ第1級というにふさわしく、濃密で力強く、野性的なワインと称されます。毎年変更されるエチケットでもコレクターの心を離しません。ブドウの樹齢や、カベルネ・ソーヴィニヨンの比率が高く、長期熟成にも向きます。


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シャトー・ラトゥール

シャトー・ラトゥール

5大シャトーの中でも最も安定した品質のワイン


ポイヤック地区にあるシャトーで、ブドウの樹毎に状態を管理し、品質の良いものだけを摘み取る徹底した品質を持つシャトーで、シャトー・ラトゥールとしてラベルに出来る区画から、さらに厳選した『クロ・ランクロ』と呼ばれる区画のみで造られたワインが、シャトー・ラトゥールを名乗る事が出来るという話は有名。


ずば抜けた凝縮感とタンニンのポテンシャルがあり、長期の熟成に向くワインとして知られています。各世界的評価雑誌でも常に高い評価を受け続け、常に最高級のワインの品質を維持しています。


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シャトー・オー・ブリオン

シャトー・オー・ブリオン

メドック格付けで唯一メドック地区以外のワイン


メドック格付けの中では異例中の異例と言えるシャトーで、メドック地区ではなく、グラーヴ地区からの選出となったシャトーで、それもオー・ブリオンの持つずば抜けた品質の高さと、当時の取引金額、そして名声によるものだと言われています。


他の第1級シャトーと大きく異なる点はメルロー種の比率が高く、渋みが少なく滑らかな飲み口が特長。


30年以上の長期熟成に耐えることで真価が発揮されると言われ、エレガントで野性味のある複雑な香りで、近年は特に評価が高く、世界的に著名な評価雑誌でも5大シャトーの中でオー・ブリオンが最高の評価を得ることも多くなっています。


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 その他の有名格付けシャトー

5大シャトーに限らずとも、有名で味わいに定評のある格付けのシャトーは多く、時には第1級シャトー並みの金額で取引される事もあるシャトーをご紹介します。特に人気の『シャトー・カロン・セギュール』や、第5級にも関わらず最高レベルの評価を受ける『シャトー・ポンテ・カネ』など、近年のボルドーは品質の向上に余念がなく、ワイン愛好家を楽しませてくれるワインが増えています。

 セカンドワインとは

セカンドワインとは、それぞれのシャトーやワインメーカーにおいて、その看板商品となる『最高品質(ファーストラベル)』として出荷するワインの品質基準に満たないと判断されたワイン。ほとんど全てのセカンドワインは、醸造・栽培・畑・熟成などを同一のチーム、シャトー(メーカー)で行っており、半値以下で取引されるワインが多く、気軽にそのシャトーの特徴や品質が楽しめるお買得なワインともいえます。シャトーによって基準は異なりますが、熟成の過程で選別されたものや、ブドウの樹齢が若いもの、特定の区画のものなどが使われています。

 まとめ

いかがでしたでしょうか?5大シャトーとその他の有名な格付けシャトーをご紹介致しました。今回ご紹介した5大シャトーは、世界のワインの基準となっているとも言えます。世界のワイン愛好家を魅了する5大シャトーを試してみてはいかがでしょうか?

その他、格付けにも5大白ワインと言われる『シャトー・ディケム』を要するソーテルヌ地区やグラーヴ地区、サン・テミリオン地区などでも格付けがあり、それらも素晴らしい品質と個性を併せ持ったワインが造られています。ボルドーワインの奥の深さは別格ですね。